2013年12月29日日曜日

地平線

君の瞳の奥に映る

景色をながめた。

それは真っ直ぐな地平線の草原に

素足で立っている小さな男の子。

どこかで覚えていないかい?

僕の目の奥の奥を見てよ。

きっと思い出すでしょう。

千年もの記憶の訪れを待ちわびて。

幾万もの時空を超えて

再び出会うのでしょう

覚えているのでしょうか?

遠くに浮かび上がる星を

覚えているのでしょうか?

草原を通り過ぎる風の声を

覚えているのでしょうか?

僕の瞳の奥の奥を

それは

青い青い草原の上

再び再会の星の上








2013年12月19日木曜日

流れる川

流れ流れて南の島へ
竜宮城は物語の世界と思ってた

リアルにこの世界に存在していたよ

飲めや、歌えや、美しい天女たちの舞
美味しいご飯に宴、

それはそれは美しい透きとおる
魚たち珊瑚の森

あれやあれやとしてる間に
ほんとうに歳をとっていく。

私の人生の3分の1をこの島で
過ごしたの。

第二の故郷。南の島。







なにもしらないままに

なにももたないままに

好奇心と、少しの勇気、

楽しいと希望を胸に

沢山の仲間たちと辿り着いた

いくつもの物語を通り過ぎて

いくつもの出会いと別れをくりかえし

流した涙はこの土地に流れていった

なにもしらないままに

なにももたないで

この島の純粋な素朴なぶっきらぼうな人たちの
愛をうけて、温泉のような愛の海を泳いだ。

あたえてくれてばかりだね、

うけいれてくれてばかりだね、

なにをかえせるでもなく

なにをするでもなく


なにももたないで

なにもしらないままに


私はまた流れる川のように

流れていくのでしょう。


美しい世界の真ん中で

限られた時間と


あたえてくれたよ、また。

大キライになって
涙をながして、
文句ばかりいったけど、

ほんとうの所は

この島を愛してやまない私に気付くの

ゼロの場所で

無限をえがいてまた

流動していくのでしょう。


愛をありがとう。南の島のサイハテに



なにもしらないままに


なにももたないままに



流れる川のごとく


竜宮城へ辿りついた



手土産は


玉手箱でしょうか。








2013年12月15日日曜日

我思ふ

我思ふ。

お山にちりばめられた 
絵の具の色の
ようなお山に
神をみた。

小さな小さな葉っぱの群れ
岩が積み重り土がもりあがる

遠くで見える鳥たちの群れから
遥かに見えるだろうかあの海は。

我イマココ思ふ
四季とは折り紙ののようだとも

我イマココ思ふ
山ヤマは流れる川をうみだして

いくつもの生命が宿っては産まれて
うぶ声をあげては木霊の森の祝福を
浴びて

たえまなく続く生命のいとなみに
偉大な愛を感じ我イマココにあることを
全う、歓喜の森を歩く。

いくつもの山山の谷間で。

熊五郎がやってきた。

ひょんな事から
九月、ロシア人のお友達から電話が入る
埼玉に帰るから
犬を預かってくれないか?
二つ返事で
いいよー。と応えた。
ロシア人のお友達は
スキップと読んでいた。
アメリカンコッカスパニエル、
一歳との出会いだった。

ボヘボヘの毛並み。まるで
ぬいぐるみみたいな犬だった。

だから熊五郎と私は
名付けて、一緒の生活が
はじまった。

とてつもなく人懐こい、
子供の犬。

離し飼いしてもピタリと
どこえも行きやしないの。

家が大好きで、
人が大好きで、
甘えん坊のコ。

10月の宮古島台風直撃。
熊五郎がそばに居てくれて、
心強かった。
怖くて泣きそうだったけど、
あったかい小さな犬の心臓があるって
だけで私の心は癒された。

ある日は、
鏡に向って自分の顔に驚いて

ずっと吠えていた。

またある日は、
家にあるピアノに向って
吠えてるのか、歌っているのか

車に熊五郎を残すところ、
クラクションを鳴らして
私を呼ぶ事を
覚えた。

子供たちとも仲良しになった。
まるで兄弟みたいに。

玄米も食べるし、フルーツも
野菜も大好きで、
変なドックフードより
同じ物を食べた。

熊五郎との日々は面白くて、
いつしか、ほんとうに子供のように、
家族のようになっていた。

ついに、
一ヶ月半たち、
ロシア人の友達が帰ってきた。
熊五郎とのお別れ、
預かったけど、
私が助けられた。精神を癒してくれたから。
熊五郎、ホームステイしにきてくれて
ありがとう。

別れを告げた。また、愛にくるから。


その、一ヶ月後、
旅から帰ってきた私、
ロシア人の友達から電話、
スキップ熊五郎を預かっての連絡と思いきや、
飼わないか?との電話だった。
家族として迎えないか?
ロシア人の友達は、埼玉に帰ることが多いし、
集落内で、苦情が来てて難しいとのこと。
離し飼いにできないし、ストレスがあるとの
理由だった。


私は、旅人だから
これから犬を
飼いたくても飼えないなーと思っていた。
でも、動物は大好きだし、ほんとうは一緒に暮らしたかった。

出会いだった。
新しい家族ができた。
断る理由は
なかった。子供の
ような、家族のような君を迎えにいった。
まるで、別人のように、
丸刈りにされて、小さくなっていて
大笑いした。まったく、熊五郎ではなくて、

黒って感じの犬になっていた。

あのつぶらな目の輝きは、やっぱり
熊五郎だった。

おかえり。
よろしくね。
これから

沢山の物語がうまれていくのでしょう。